animation
プロパティは指定できる値を見てもらうと分かりますが、transition
ととても似ています。
animation
で指定できる値(プロパティ)は以下のとおり。
animation-name
animation-duration
animation-timing-function
animation-delay
animation-iteration-count
animation-direction
animation-fill-mode
animation-play-state
この内、duration
、timing-function
、delay
については、同様のプロパティがtransition
にも存在します。
animation
では、もっと細かい指定ができるというイメージでいいかと思います。キーフレームアニメーションで開始から終了までを細かく設定できます。
それでは、animation
の使い方を見ていきましょう。
W3C公式のドキュメントはこちらから。
→ https://drafts.csswg.org/css-animations-1/
2つに分けるCSSの書き方に最初は面食らいました...
animationの概要
アニメーションの指定の仕方について、概要から説明していきます。
animation
は、@keyframe
とセットで使うプロパティです。
animation
は「設定」@keyframe
は「動き」
といった感じのイメージでしょうか。
実際のコードを見てみましょう。
<div class="animation"></div>
animation
プロパティで、アニメーションの名前や回数、時間などを指定します。
そして、@keyframes
で、順番にどういった振る舞いをしていくかを指定しています。0%から100%まで刻みながら設定できるので、細かな動きを実現できるようになっています。
.animation {
width: 100px;
height: 100px;
background: #00BCD4;
animation: animation-haniwaman 3s linear 0s infinite normal;
}
@keyframes animation-haniwaman {
0% {width: 100px;}
100% {width: 100%;}
}
animationが内包する6つのプロパティの役割
animetion
はショートハンドプロパティと言って、background
やborder
のように複数のプロパティを一括で指定できるようなプロパティです。
冒頭でも紹介しましたが、animation
で指定できるプロパティは以下のとおりです。
- animation-name -> アニメーションの名前
- animation-duration -> アニメーションの開始から終わるまでの時間(1回分)
- animation-timing-function -> アニメーションの進捗時の効果
- animation-delay -> アニメーションが開始するまでの時間
- animation-iteration-count -> アニメーションの繰り返し回数
- animation-direction -> アニメーションを逆再生(順番)
- animation-fill-mode -> アニメーションの開始前と終了後の状態
- animation-play-state -> アニメーションの再生と停止
それでは1つずつ解説していきます。
animation-name
アニメーションの名前を指定します。他のアニメーションと被らないように注意しましょう。
animation-name: animation-haniwaman;
といった具合です。
この名前はキーフレームを指定する際に使用します。
先にどんな感じで使うかだけ実例を紹介します。
.animation {
animation-name: animation-haniwaman;
}
@keyframes animation-haniwaman {
0% {width: 0%;}
100% {width: 100%;}
}
@keyframes
の後ろに続くのが、animation-name
で指定した値になります。
animation-duration
1回分のアニメーションが開始してから終了するまでの時間を指定します。
値 | 説明 |
---|---|
xs | x秒 |
xms | xミリ秒(1000ミリ秒 = 1秒) |
実際の動きを確認しましょう。
1s
で指定した場合
0%から100%までのアニメーション時間が1秒になります。
<div class="animation-duration-1s"></div>
.animation-duration-1s {
width: 100px;
height: 100px;
background: #00BCD4;
animation-name: animation-haniwaman;
animation-duration: 1s;
animation-timing-function: linear;
animation-delay: 0s;
animation-iteration-count: infinite;
animation-direction: normal;
}
@keyframes animation-haniwaman {
0% {width: 100px;}
100% {width: 100%;}
}
5s
で指定した場合
0%から100%までのアニメーション時間が5秒になります。
<div class="animation-duration-5s"></div>
.animation-duration-5s {
width: 100px;
height: 100px;
background: #00BCD4;
animation-name: animation-haniwaman;
animation-duration: 5s;
animation-timing-function: linear;
animation-delay: 0s;
animation-iteration-count: infinite;
animation-direction: normal;
}
@keyframes animation-haniwaman {
0% {width: 100px;}
100% {width: 100%;}
}
animation-timing-function
アニメーションの振る舞い方を指定します。「始め早く終わりゆっくり」とか、「一定のスピード」などが選択できます。
値 | 説明 |
---|---|
ease | 開始と完了を滑らかにする(cubic-bezier(0.25, 0.1, 0.25, 1.0) を指定したのと同じ)(初期値) |
linear | 一定(cubic-bezier(0.0, 0.0, 1.0, 1.0) を指定したのと同じ) |
ease-in | ゆっくり始まる(cubic-bezier(0.42, 0, 1.0, 1.0) を指定したのと同じ) |
ease-out | ゆっくり終わる(cubic-bezier(0, 0, 0.58, 1.0) を指定したのと同じ) |
ease-in-out | ゆっくり始まってゆっくり終わる(cubic-bezier(0.42, 0, 0.58, 1.0) を指定したのと同じ) |
cubic-bezier(数値, 数値, 数値, 数値) | 3次ベジェ曲線のP1とP2を (x1, y1, x2, y2) で指定 |
各値の違いを見てみよう
ease
、linear
、ease-in
、ease-out
、ease-in-out
の各値を並べてみました。
開始から終了までのアニメーション時間は同じですが、動きがそれぞれ異なることが分かります。
animation-delay
アニメーションが開始されるまでの時間を指定します。
値 | 説明 |
---|---|
xs | x秒 |
xms | xミリ秒(1000ミリ秒 = 1秒) |
実際の動きを確認しましょう。
1s
で指定した場合
アニメーションが開始するまでに1秒かかります。
※ マウスホバー or タップ
<div class="animation-delay-1s"></div>
.animation-delay-1s {
width: 100px;
height: 100px;
background: #00BCD4;
animation-name: animation-haniwaman;
animation-duration: 1s;
animation-timing-function: linear;
animation-delay: 1s;
animation-iteration-count: 1;
animation-direction: normal;
}
@keyframes animation-haniwaman {
0% {width: 100px;}
100% {width: 100%;}
}
3s
で指定した場合
アニメーションが開始するまでに3秒かかります。
※ マウスホバー or タップ
<div class="animation-delay-3s"></div>
.animation-delay-3s {
width: 100px;
height: 100px;
background: #00BCD4;
animation-name: animation-haniwaman;
animation-duration: 1s;
animation-timing-function: linear;
animation-delay: 3s;
animation-iteration-count: 1;
animation-direction: normal;
}
@keyframes animation-haniwaman {
0% {width: 100px;}
100% {width: 100%;}
}
animation-iteration-count
アニメーションの繰り返す回数を指定します。
値 | 説明 |
---|---|
infinite | 無限に再生を繰り返す |
数値 | 数値で再生回数を指定する(初期値は1) |
実際の動きを確認しましょう。
3
で指定した場合
アニメーションが3回繰り返されます。
※ マウスホバー or タップ
<div class="animation-iteration-count-3"></div>
.animation-iteration-count-3 {
width: 100px;
height: 100px;
background: #00BCD4;
animation-name: animation-haniwaman;
animation-duration: 1s;
animation-timing-function: linear;
animation-delay: 0s;
animation-iteration-count: 3;
animation-direction: normal;
}
@keyframes animation-haniwaman {
0% {width: 100px;}
100% {width: 100%;}
}
infinite
で指定した場合
アニメーションが無限に繰り返されます。
※ マウスホバー or タップ
<div class="animation-iteration-count-infinite"></div>
.animation-iteration-count-infinite {
width: 100px;
height: 100px;
background: #00BCD4;
animation-name: animation-haniwaman;
animation-duration: 1s;
animation-timing-function: linear;
animation-delay: 0s;
animation-iteration-count: infinite;
animation-direction: normal;
}
@keyframes animation-haniwaman {
0% {width: 100px;}
100% {width: 100%;}
}
animation-direction
繰り返すたびにアニメーションの向きが変わります。keyframes
で表現すると、0% → 100%と、100% → 0%を繰り返すといったイメージです。
値 | 説明 |
---|---|
normal | 普通方向の再生でアニメーションサイクルを繰り返す(初期値) |
alternate | 奇数回では普通方向の再生、偶数回では逆方向の再生となって、アニメーションサイクルを繰り返す |
実際の動きを確認しましょう。
normal
で指定した場合
同じ方向に何度も繰り返されます。
<div class="animation-direction-normal"></div>
.animation-direction-normal {
width: 100px;
height: 100px;
background: #00BCD4;
animation-name: animation-haniwaman;
animation-duration: 3s;
animation-timing-function: linear;
animation-delay: 0s;
animation-iteration-count: infinite;
animation-direction: normal;
}
@keyframes animation-haniwaman {
0% {width: 100px;}
100% {width: 100%;}
}
alternate
で指定した場合
アニメーションの方向が偶数回と奇数回で変わります。
<div class="animation-direction-alternate"></div>
.animation-direction-alternate {
width: 100px;
height: 100px;
background: #00BCD4;
animation-name: animation-haniwaman;
animation-duration: 3s;
animation-timing-function: linear;
animation-delay: 0s;
animation-iteration-count: infinite;
animation-direction: normal;
}
@keyframes animation-haniwaman {
0% {width: 100px;}
100% {width: 100%;}
}
animation-fill-mode
アニメーションの開始前と開始後のスタイルを指定します。
値 | 説明 |
---|---|
none | 適応なし(初期値) |
forwards | アニメーションの終了時に、もとの状態に戻らない(100%の状態) |
backwards | アニメーションの終了時に、もとの状態に戻る(0%の状態) |
both | forwardsとbackwardsが両方適応される |
実際の動きを確認しましょう。
forwards
で指定した場合
アニメーションの終了時に、もとに戻りません。(100%の状態になる)
※ マウスホバー or タップ
<div class="animation-fill-mode-forwards"></div>
.animation-fill-mode-forwards {
width: 100px;
height: 100px;
background: #00BCD4;
animation-name: animation-haniwaman;
animation-duration: 1s;
animation-timing-function: linear;
animation-delay: 0s;
animation-iteration-count: infinite;
animation-direction: normal;
animation-fill-mode: forwards;
}
@keyframes animation-haniwaman {
0% {width: 100px;}
100% {width: 100%;}
}
backwards
で指定した場合
アニメーションの終了時に、もとに戻ります。(0%の状態になる)
※ マウスホバー or タップ
<div class="animation-fill-mode-backwards"></div>
.animation-fill-mode-backwards {
width: 100px;
height: 100px;
background: #00BCD4;
animation-name: animation-haniwaman;
animation-duration: 1s;
animation-timing-function: linear;
animation-delay: 0s;
animation-iteration-count: infinite;
animation-direction: normal;
animation-fill-mode: backwards;
}
@keyframes animation-haniwaman {
0% {width: 100px;}
100% {width: 100%;}
}
animation-play-state
アニメーションの再生と停止をコントールします。
値 | 説明 |
---|---|
running | アニメーションが再生されます(初期値) |
paused | アニメーションが停止します |
実際の動きを確認しましょう。
動いているアニメーションを停止させる
無限にアニメーションしている要素を止めてみます。
※ マウスホバー or タップ
<div class="animation-play-state-paused"></div>
.animation-play-state-paused {
width: 100px;
height: 100px;
background: #00BCD4;
animation-name: animation-haniwaman;
animation-duration: 1s;
animation-timing-function: linear;
animation-delay: 0s;
animation-iteration-count: infinite;
animation-direction: normal;
animation-fill-mode: none;
animation-play-state: running;
}
.animation-play-state-paused:hover {
animation-play-state: paused;
}
@keyframes animation-haniwaman {
0% {width: 100px;}
100% {width: 100%;}
}
animation
プロパティでまとめて指定する
以下の6つのプロパティをanimation
で1つにまとめて指定できます。
animation-name
-> アニメーションの名前animation-duration
-> アニメーションの開始から終わるまでの時間(1回分)animation-timing-function
-> アニメーションの進捗時の効果animation-delay
-> アニメーションが開始するまでの時間animation-iteration-count
-> アニメーションの繰り返し回数animation-direction
-> アニメーションを逆再生(順番)animation-fill-mode
-> アニメーションの開始前と終了後の状態animation-play-state
-> アニメーションの再生と停止
並び順は以下のとおり。
animation: [animation-name] [animation-duration] [animation-timing-function] [animation-delay] [animation-iteration-count] [animation-direction] [animation-fill-mode] [animation-play-state];
初期値で当てはめるとanimation: none 0s ease 0s 1 normal none running;
複数のアニメーションを指定することも可能
カンマで区切ることで複数のアニメーションを指定することもできます。
animation: none 0s ease 0s 1 normal none running, none 0s ease 0s 1 normal none running;
@keyframes
の指定方法
実際にどのように変化させていくかのスタイルを指定するのが@keyframes
です。わたしはanimatione
プロパティは「設定」、@keyframes
は「振る舞い」という捉え方をしています。
@keyframes
の指定の仕方について見ていきましょう。指定方法には2パターンあります。
最初と最後だけ指定
from
でアニメーション開始時のスタイルの指定。to
でアニメーション終了時のスタイルを指定します。2種類だけなのでとてもシンプルなアニメーションとなります。
@keyframes animation-keyframes {
from {
width: 0%;
}
to {
width: 100%;
}
}
実際の指定例として以下のとおりです。
.animation {
width: 0;
height: 100px;
background: #00BCD4;
animation: animation-keyframes 3s linear 0s infinite normal;
}
@keyframes animation-keyframes {
from {
width: 0%;
}
to {
width: 100%;
}
}
最初と最後だけの指定であればtraisition
と役割はほぼ同じですね。
%
で区切る
0%から100%まで好きなタイミングを区切ってアニメーションを設定することができます。この柔軟性がanimation
プロパティの真骨頂ではないでしょうか。複雑な動きを作ることができます。
※ 0%と100%は必須ではありません。好きな数字で作ることが可能です。
@keyframes animation-keyframes-per {
0% {
width: 0%;
}
20% {
width: 50%;
}
40% {
width: 25%;
}
60% {
width: 75%;
}
80% {
width: 50%;
}
100% {
width: 100%;
}
}
実際の指定例として以下のとおりです。
.animation {
width: 0;
height: 100px;
background: #00BCD4;
animation: animation-keyframes-per 3s linear 0s infinite normal;
}
@keyframes animation-keyframes-per {
0% {
width: 0%;
}
20% {
width: 50%;
}
40% {
width: 25%;
}
60% {
width: 75%;
}
80% {
width: 50%;
}
100% {
width: 100%;
}
}
おわり
animation
の使い方について、紹介しました。
「薄っすら消えていく」みたいなよく使うようアニメーションは事前に作っておくといいかもしれません。