Cursorって自動で補完してくれたり、次の変換内容を提案してくれたりして便利だなー、でAIについての知見が止まっていたのですが、自律的に動くAIエージェントに衝撃でした…。
これまでは、AIって凄いけど何だかんだ人間が主体だなって感想でしたが、おそらくAIが主体的に何でもやってくれるような未来がすぐそこに迫っているんだろうなと思います。
AIエージェントとMCPの組み合わせが、専属のAI秘書のような感覚を持ちましたので、キャッチアップしながら自分が思いつく範囲で効率化を図ってきたいと思っています。
MCPとは?
Model Context Protocol
の略で、生成AIが他のツールやデータと連携するためのプロトコル。プロトコルというのは、やり取りするためのルールのようなもの。
例えば、WebだとHTTPで通信していますが、これはHyper Text Transfer Protocol
の略で、ブラウザとサーバー間でWebに関するHTMLなどの文書をやり取りするためのルール。取得が成功したら200を返しましょうね、とか。
MCPの場合も同様に、命令したり結果を受け取るためのクライアントと、命令を受け取って結果を返すためのサーバーで主には構成されている。サーバーは役割に応じて繋げることができて、例えば、Slackのデータを取得するためのサーバー、Githubのデータを取得するためのサーバー、Figmaのデータを取得するためのサーバー、といった感じで、複数のサーバーと接続しながら、AIと会話することが可能になります。
▼ 接続できる例
- Github
- Slack
- Figma
- Notion
- Google Drive
- Perplexity
- ローカルファイル
イメージ図は以下の通りです。

引用)https://modelcontextprotocol.io/introduction
MCPホストは、自分のパソコンのこと。MCP クライアントは、ClaudeなどのAIツール。MCP サーバーは、MCPを通じて結果を返却するプログラムです。
自分のパソコン上でどのホストを使うかは自由です。Claudeが有名だと思いますが、CursorなどのAIエディタやClineなどのAIエージェントをホストとして活用も可能です。
参考)クライアントの例:https://modelcontextprotocol.io/clients
色んな役割のサーバーがあるので、必要に応じて各ホストから繋げるようなイメージとなります。
何が嬉しいか?
これまでは人間がデータを仲介するインタフェースになっていました。例えば、Slackからデータをまとめてもらう場合は、Slackのデータをエクスポートして、生成AIのチャットに貼り付けて、まとめてください、とお願いする流れだったと思います。
MCPが登場したことによって、AIが直接Slackの内容を見にいけるようになるので、人間がデータをまとめるという作業をすることなく、「Slackの〇〇チャンネルのやり取りの内容をまとめて」とお願いすればOKになります。
さらに、他のツールとも連携できるので、「Slackの〇〇チャンネルのやり取りの内容をNotionの〇〇ページにまとめて」といった感じでまとめ先を指定することが可能です。
このように、ツール間のやり取りで人間がコピペする作業は不要になり、AIへお願いすることで完結する形が実現できました。
MCPを活用した例
例えば、Googleカレンダーと連携すると、秘書的に予定を確認できます。仕事でよくある空き予定の確認などはAIに確認すれば一発です。

MCPの使い方(Claude編)
まずは、イメージを掴むためにClaudeでの使い方を見ていきましょう。
以下の記事通りですので、公式を参考に進めていただいても問題ありません。
Claude for Desktopを自分のパソコンにインストール
Claude for Desktopを手順に従ってダウンロードしてインストールします。
MCPサーバーと接続
何かのMCPサーバーに接続しましょう。
- ローカルファイル
- Notion
- Github
など様々なサーバーが用意されていますが、まずはローカルファイルを試してみます。
Claudeが用意してくれているサーバーはこちらにまとまっています。この中でローカルファイルと接続するためのサーバーは「Filesystem」になります。
Claude for Desktopの設定ファイルを開く
左上のメニューから「設定」を開きます。
「開発者」タブを開いて、「構成を編集」します。
Macの場合は「~/Library/Application Support/Claude/
」のフォルダが開くはずです。
この中にある「claude_desktop_config.json
」を開きます。なければ同じ名前で作成してください。
{
"mcpServers": {
"filesystem": {
"command": "npx",
"args": [
"-y",
"@modelcontextprotocol/server-filesystem",
"/Users/{user}/Desktop/claude/"
]
}
}
}
/Users/{user}/Desktop/claude/
の部分は、AIにアクセスを許可するローカルのフォルダです。ご自身のパソコンのパスに書き換えてください。わたしはデスクトップ上に「claude」というフォルダを作って試しています。
Node.jsのインストール
npxのコマンドを使っているので、Node.jsが必要です。パソコンにNode.jsが入っていない方はインストールしてください。
詳細は割愛しますが、ターミナルで「node --version
」でバージョンが返ってきたら問題ないと思います。
Claude for Desktopを再起動
「claude_desktop_config.json
」を更新したら必ず再起動が必要です。Macの方は「cmd」 + 「q」で閉じましょう。
再度開いて、テキストエリア右下の「利用可能なMCPツール」のアイコンをクリックします。

ソースサーバーの名前として「filesystem
」と記載されたものが掲載されていればOKだと思います。
自分は以下のツールが確認できました。細かい説明は割愛しますが、ファイルやフォルダを探したり、読み込んだり、書き込んだりの権限だと思われます。
- create_directory
- directory_tree
- edit_file
- get_file_info
- list_allowed_directories
- list_directory
- move_file
- read_file
- read_multiple_files
- search_files
- write_file
ファイルを作成してもらう
Model Context Protocolの将来的な可能性をまとめてローカルにマークダウン形式で保存してください。

途中、「操作しても問題ないか?」の確認があります。

もしフォルダが見つからない場合は、許可されているフォルダを探して保存してれました。
自分の場合は「model_context_protocol_future.md
」が保存されました。
逆に、ローカルファイルの情報を受け取って返答してもらうことも可能です。ローカルファイルを読み込んでRAG(Retrieval Augmented Generation)のような使い方をしたい場合は有効かなと思います。
まとめ
今回はローカルファイルとの連携の例を紹介しましたが、MCPを使うと様々なツールと双方向に連携が可能になります。
生成AIとツールが連動して、他のツールが持っているデータにアクセスできますし、依頼した内容に応じて対象のツールに直接的に操作することも可能です。これまでは人間が間に入ってコピペ等の作業をしていましたが、生成AIをハブとしてツールがシームレスに繋がることで人間は何もしなくても一連の作業を終わらせられるようになると思います。
こうなると、どうやって気持ちよくAIに動いてもらうかを設計するのが大事になってくる感じですかね…。
自律的なAIを目の前にすると「人間がボトルネックに感じる」という文章をどこかで見たのですが、自分も同じような感想を抱きました。