12月2日にリリース予定のWordPress 6.9へのバージョンアップを整理しました。個人的な感想としては、共同編集に向けての機能の整備が着々と進んでいる印象を持ちました。
今後、複数人でのWordPressの編集体験がどのように変化していくのか楽しみです😊
Gutenberg プロジェクトの4つフェーズ
Gutenberg プロジェクトの4つフェーズがあり、フェーズ2までは完了していて現在はフェーズ3です。
(以下の引用元の文章はフェーズごとに更新されていると思うので見るタイミングによって変わっているかもしれません)
WordPress は絶えず開発中です。現在、Gutenberg プロジェクトのフェーズ2は正式にWordPress 6.3で完了し、フェーズ3 (コラボレーション) の探求が進行中です。
引用:https://ja.wordpress.org/about/roadmap/
1と2は、ブロックエディタ、ブロックテーマに関する仕組みの整備。今のWordPressがブロックテーマで作成できるように、すでに完了しております。
今動いているのは3のフェーズの「共同編集」です。
フェーズ1は WordPress 5.0 でリリースされた新しいブロックエディター Guternberg でした。2021年と2022年にはフルサイト編集 (フェーズ2) を WordPress に統合することに注力しました。これにより、サイトエディターと、Web サイト全体でブロックを活用できる一連の編集機能が導入されました。フェーズ3は、共同編集です。
引用:https://ja.wordpress.org/about/roadmap/
これが具体的にどういった作りになるのかイメージできていませんでしたが、6.9のアップデートによって片鱗が見えてきたように感じました。
自分がこういった感じになるのかなーって感じた点も含めて整理していけたらと思います。
WordPress 6.9の主な更新内容
では、6.9での更新内容を見ていきましょう!(自分が理解しやすい範囲が中心になると思います🙇♂️)
ノート
ブロック単位でノートを残すことが可能です。最初に見た印象としてはFigmaのコメント機能を思い浮かべました。
手順としては、ブロックで右クリック→ノートを追加(リストビューのブロックからも可能です)

自由な文章でノートを追加できます。

ノートが追加されると、右上の公開ボタンの横あたりにノートのアイコンが追加されてすべてのノートを見ることが可能になります。

ここに別のユーザーがコメントを残してコミュニケーションを取ることが可能になっています。まだ複数人のユーザーが同時に1つの編集画面に入ることはできなさそうです。
ただ、将来的にはFigmaのように1つのエディタに複数人のユーザーが入ってコメントを残したりブロックを編集したりといったことが可能になっていくのではないかなーと思った機能でした。
ブロックの非表示
ブロックを非表示にすることができます。非表示にすると、編集画面には存在するけど公開されているサイトには表示されない、という設定にすることが可能になります。
手順としては、ブロックを右クリック→非表示(リストビューのブロックからも可能です)

非表示にしたブロックはリストビューに非表示を表すアイコンが追加されるようになります。

この機能と次の機能も含めてですが、ブロックテーマにおいてはWordPressの開発フローが変わっていくのではないかなと少し思っています。
当初予定されていた、テンプレートの有効化/無効化の切り替え機能は7.0に持ち越しになりましたが、この動きも合わせて開発時の状態を管理画面内で持てるようになっていくのかなと思いました。
そうすると、今までは開発環境を作って問題がなければ本番環境に反映という動きを取ることが多かったと思いますが、管理画面上で改修後の状態を検証をして問題がなければ公開、という流れが取れるようになるのかもしれません。
アコーディオンブロック等のブロック追加
実用的なところとしてはアコーディオンブロックが追加されます。プラグインやテーマで拡張して使っていたブロックですがコアで使えるようになりました。

その他、以下のブロックが追加されています。
- タームクエリーブロック
- 数式ブロックとインライン数式書式
- 読了時間ブロック
「テキストを合わせる」オプション
段落ブロックと見出しブロックのバリエーションが追加されました。テキストがコンテナの幅に合わせて自動的に拡大縮小するような表現となります。使い所は注意が必要そうな印象です。
通常時:

伸縮する段落に変換:

許可ブロックの管理
グループブロック内は自由にブロックを追加できますが、追加できるブロックを制限することが可能になります。意図しないブロックの挿入を防ぐことができそうです。ブロックを使ったパターンに活用できそうな気がします。

角丸のプリセット
角丸をあらかじめ定義できるようになりました。theme.jsonに設定します。公式ブログにあるようにFullの定義があると便利だなって思いました。(ちなみに、calc(infinity * 1px)だと機能しなくなるようです。現状はカッコがある指定はダメなようです)
{
"$schema": "https://schemas.wp.org/trunk/theme.json",
"version": 3,
"settings": {
"border": {
"radius": true,
"radiusSizes": [
{
"name": "Full",
"slug": "full",
"size": "9999em"
}
]
}
}
}
今後の機能
6.9には入りませんが今後の動きとして気になる機能が最新のGutenbergプラグインにありますので、見ていけたらと思います。

カスタムHTMLブロックの拡張
これまでカスタムHTMLブロックは、HTMLを直接入力できるブロックという扱いでした。最新のGutenbergプラグインを見ると、なんとCSSとJavaScriptの指定も可能になっています。かつ、エディタ上にも反映されます。
カスタムHTMLブロックがコンポーネントを作るイメージに近くなった印象を受けます。この作り方であれば、必要なCSSとJavaScriptがいろんな場所に散らばって管理されることがなくなるため、(最終的な手段として)より使いやすく管理しやすくなるのかなと思います。


タブブロック
6.9でアコーディオンブロックがコアに入りましたが、タブブロックの開発も進んでいそうです。サイト制作でよく使うブロックは今後もコアに入ることで、表現の幅が増えるとともにプラグイン依存にならない形でサイト制作ができるようになっていきそうです。
(現状だと実験的なブロックに入っています)


おわりに
WordPress 6.9の更新情報でした。一部をピックアップした形になるので、紹介できていない更新内容がたくさんあります。
6.9の更新内容について気になる方は、日本語で最も分かりやすく紹介していただいているのは浜野さんのYouTubeだと思いますので、ぜひご覧ください。
具体的な操作方法はWoWordPress 6.9 テストガイドにも動画付きで詳しく載っています。各機能を試してみたい方は参考にしてください。

